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『ハリマオ』は、1989年制作の日本映画。太平洋戦争中のマレー半島で活躍した“マレーの虎・ハリマオ”こと、谷豊を描いた映画。 キャッチコピーは「右の耳ならおかまだが、左の耳なら勇者の印。―見損なうな!俺がハリマオだ!」。耳の左右は谷が付けていたピアスの位置を表す。 == ストーリー == かつてマレー半島はイギリスの植民地であった。イギリス人、マラヤ人、華僑が基盤を築くマラヤの世界とは別に、昭和初期から入植した日本人たちは自分たちのコロニーを築き、その一つ「クアラトレンガヌ」には小さな理髪店を営んでいた谷家の姿もあった。谷家の長男、豊はマレーで育ち自然の流れで朋友とイスラム教の儀礼を受けるが、やがて日本人のアイデンティティーを持ちながらマレー人として生きる矛盾への疑問が芽生え、父の愛人である富子への思慕も日に日に大きくなっていった。 徴兵年齢になった豊は祖国へ渡るが、軍国主義の社会では外の空気を吸ったよそ者は冷遇の対象でしかなかった。徴兵検査に落ち傷心の豊がマレーに戻ったそのころ、大陸では満州事変が勃発。日本の中国侵略に抗議する華僑たちは排日運動を起こし義妹の千鶴子が暴徒と化した不良華僑に殺されるが、反日のイギリス警察は犯人の華僑を野放しにする。日本からもマレーからも受け入れられない惨めさを味わった豊は仲間と共に盗賊に身を落とし、暗い社会のお尋ね者になる道を選ぶ。華僑とイギリス人から金品を奪い、タイとマレーを飛び回る神出鬼没ぶりは“ハリマオ”(harimau:虎)と呼ばれる。 そんな豊へ資源獲得のために南方進駐を目論む日本軍の参謀、城ヶ崎少佐が接触を計る。拒絶する豊に城ヶ崎は日本軍はアジアの恒久平和を目的とする聖戦のために戦うのであり、その結果としてマレーでの日本人の苦労が認められると説得する。戦う目的を無くしてしまった青年の心に入ってきた城ヶ崎は籠絡に成功。地下活動に従事する豊は、目覚ましい活躍を見せるが一方でマラリアに侵されていく。命を削っても祖国に報じようとする豊は日本軍が完全にマレーを制圧した日に富子と再会する。 軍人に引き立てられていく彼女の姿に驚く豊だが、その罪状は日本人の振りをしていた華僑のスパイというものであった。銃殺される彼女をなすすべもなく見ている豊。人間の国籍により平気で命や幸福を奪っていく国家の論理が、一面では平和を語っている。騙されていた事に気づいた豊だが、もはや病床から二度と立ち上がることはできなかった。豊の墓は日本人墓地でなく、仲間の手でマレー人としておくられた。数奇な運命を辿った青年の夢も野心も全て「報国」の神話に糊塗されていく。 時代は過ぎて現代の商社。現地のバイヤーとの商談に臨む若い社員が話している。電話の相手は城ヶ崎であった。国家として資源のない国は再びこの地に経済大国として足を入れている。「クアラトレンガヌ」という何気ない言葉に城ヶ崎は記憶を呼び覚まされ青年に尋ねる。「ハリマオって知っているか」と。部下からの返事よりも先に城ヶ崎の耳には南国の大地を満たす確かな鼓動が響き渡っていた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ハリマオ (映画)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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